映画『his』

今泉監督の作品は好きで、特に映画『知らない、ふたり』は絶妙な距離感を描いてて、超絶に好きな映画だ。
映画『サッドティー』や映画『パンとバスと2度目のハツコイ』、去年ヒットした映画『愛がなんだ』、映画『アイネクライネナハトムジーク』と、大抵のところは観てる。
んで、今作映画『his』も観てきた。

 

さすが今泉監督ってな手腕。このムズキュン感を描かせたら上に出るものはいないと感じさせる。

基本、ありきたりな映画はなんとなく先が読めて、眠たくなってしまうことが多い。
その中で心理的なサスペンスや、突拍子もない展開で、緊張感が持続され、寝ないで観終わることができる。
特に恋愛映画なんて、そりゃくっついて離れてくっついて終わりだろバローwwwwってなありきたりな話になりがち。

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今泉監督はムズキュン感 a.k.a 心理的なサスペンスを使って、物語を推し進める監督ってイメージ。
しかし今回は心理的なサスペンスだけでなく、かなり先の読めない展開で驚いた。
(でも、今思うと映画『サッドティー』とか、マジ意味分かんない展開だったな…)

今作は異性愛じゃなく、同性愛を描いている。
そのムズキュン感は健在で、やっぱ同性も異性も根本は同じよねぇと思う。
しかし、同性愛でしか描けない社会問題も描いていた。
特に中盤から始まる展開は「マジでこんな場所もやんだ」ってびっくりした。

 

なんだかんだ面白かったんだけど、ちょっとモヤモヤが残っている。
それは、やりたいことが多すぎて、人物描写が不足しているところ。
毎回キャラクターが愛らしくて好きになっちゃうんだけど、今回はムカムカしたまま映画観てた。
特に藤原季節演じる日比野渚は、ただただ自己中心的な人で、本当にムカつくキャラクターだった。
もう少し過去の二人について描いてくれれば、評価が変わった気がするのにな。

 

最後に、どうでもいい小話。
去年東京行ったとき、ケイズシネマのロビーでぼーっとしてた。
そのときはちょうど映画『愛がなんだ』がバズってたころで、今をときめいてハットトリック中の今泉監督がタバコ吸ってた。
そんときに、なんかの映画で見たことあんだけど名前の知らない人が、監督に話しかけてて、誰だろアレ…?って思ってた。
今回映画を観てわかった。あれは藤原季節さんでした。